〇KIMBLADE
フロントガラスに滴下された雨水を清拭するのが、ワイパーである。
当然、水滴ではではなく塵埃や時にはタールなどの油性物も拭き取らなければならない。
これまでの殆どのワイパーはシリコンゴム製で往復運動するワイパーブレードの動きに対応して先端部が曲がる製品だった。その寿命は高耐久な良品であっても半年から1年というイメージ。
最も交換したくなる要素は”拭き残し”である。
ワイパーが通過した直後であっても筋状に水分が残ったかのようになることで視界の改善されず、ワイパーゴムの交換ということになる。
車の運転中は前方を注視する義務があり、その視界の入り口となるのは、文字通り窓であるフロントウインドウなのだ。これの状態に気を払わない、というのは安全運転義務違反である!と意気込むものの、単に私が神経質になる分野のひとつである、ということです。
で。
KIMBLADE(キムブレード)である。
下記、GIF画像を見れば一目瞭然。
これまでのワイパーとは形状が違う。
先端部がボックス状になっており、その箱の”角”で拭くというよりも”削ぐ”イメージ。
ワイパーゴムが損耗していく理由のひとつは雨水以外の塵埃との摩擦による微細な断裂が、ワイパーゴム先端部で発生することにある。
これはゴムの先端部が鈍角でガラス表面と接していることことに一因あり、仮に鋭角的に接することができれば、いくらか改善はされることだと考える。
KIMBLADEも鋭角接触しているわけではないが、角度的にはかなり立っており、かつ角で接していることから拭き取り能力は高く、かつ損耗し難い印象。
このKIMBLADEは例によってKickstater案件。
とはいえ、かなり製品らしさがあるので一般販売もされているのではないかと。
KIMBLADEのゴムもシリコンなのだが、先端部はカーボンナノチューブが配合されているそうである。
ある種の先端材料界隈では”夢の新素材”であるカーボンナノチューブであるが、その効果がどのような方向性を付与されているかは謎。
とりあえず、配合されていればなんだか嬉しい!ということ。
現に私は嬉しい。塞ぎがちな気持ちも上向く勢い。
実際に使ってみると、確かに”削ぐ”イメージではある。
が、課題としては今後がどうなるか、ということ。
水滴を削ぐ、というのが形状から発揮されているので、その効果は長づ付きしなければならない。ならない、というかして欲しい。
新品のワイパーゴムの気持ち良さは従来品とて同じなので。
このKIMBLADE、単にブレードごと交換するだけでいいのだが、フロントガラスの下処理としてクリーナーとコーティング剤が同梱されていた。
クリーナーは研磨系。
問題はコーティング剤。
グラフェンを使ってガラス表面の微細なデコボコを埋める、という仕組みなのだが、塗って乾燥させて拭き取る、というありがちな作業をしていて、妙な感触があった。
説明書(英文)にも「ガラスに浸透する」という趣旨の一文があったのだが、まさにそんな感じ。要するに拭き取りがとても”硬い”
フッ素系の撥水剤のように”ぬるっ”とした感触はなく、非常に硬質。
このコーティングのよる結果は謳い文句通りならブレードのシリコンと融和しつつ撥水効果も期待できるようだが、他の撥水専用剤と比べれば控えめ。
一点、早々に気になったのがワイパー作動時の音。
聞きなれない高周波成分のある擦過音がする。
これはエッヂが当たっていることによるものだろうとは思う。
いずにしても、これからしばらく効果を検証する。