2022年12月30日金曜日

スピードツイン900

NC700Xは大変優れたバイクだと思う。
過不足のない動力性能。ヘルメットが収納できる利便性。恐ろしく良好な燃費。DCTによる快適性。
既に10年近く乗ってきて、当初の目論見であった長距離ツーリングは思ったようには出来ていないけれど、それでも満足している。

そして満足しているが故に買い替えを志向する業の深さ。

きっかけは自らの加齢もあるのだけれど、巡り合わせに近い。
トライアンフのスピードツインである。
この車名にピンときて、当時を思い出して熱くなる世代ではないのだけれど、名車列伝みたいなのを語る上で、必ず出てくる車名がこの”スピードツイン”である。

スピードツイン5T

近年のトライアンフは大変に攻めの姿勢であり、先鋭的な三気筒エンジン搭載車と並行して往年の名車の臭いを濃く受け継ぐ二気筒エンジン搭載車を出し続けている。
その中にストリートツインというミドルクラス車があった。
オーソドックスなパッケージに実はパワフルな二気筒エンジン。既に激走するような年齢でもないことから、こういった”落ち着いた選択”をしたようで、実は…みたいな自己矛盾を具現化したようなバイクは好ましかった。

がしかし、名称が気に入らない。
響きは軽快で美しいとも思う。
けれど、ストリートという”若者っぽいエッセンス”に抵抗感があるのです。あったのです。
若々しいイメージというか。そういうのは要らない。
こちらはおっさんであり、ストリートなんて名乗りたくない。
なんで、これを伝統あるスピードツインと称しないのか!と残念がっていたところ、スピードツインが出た。正真正銘のスピードツイン。1200だけれど。
これがまた過激なのです。これこそスピードツインだろ、と体現している。
見るからに獰猛。
見た目というかデザイン上のクラシック風味で獰猛さを隠し切れていない。
魅力的なのだけれど…と逡巡していたら2023年からストリートツインが名称変更してスピードツイン900となると知り、一気に傾斜した。

名前にこだわったから、という話(でもあるけど)ではなく、身の丈に合ったバイクを選びつつ、歴史に相乗りしたいという憧れを満たすという話なんですよ、はい。

ということで、トライアンフのスピードツイン900である。

スピードツイン900

既に実車を見てきたのである。
ちょっと遠いけれどトライアンフディーラーに行って。
初めてトライアンフを訪れたのだけれど、随分とオシャレというか綺麗な店舗で驚いたのである。
エプロンにオイル染みのある店員がウロウロしていたりしない(居てくれた方が親近感あるんだけれど)
よく分からない常連的ダベリ野郎もいない(ようだった)
実車は随分とコンパクトだった。
跨って分かるサイズ感というのがあり、それは大変にコンパクトだった。
一方で造形からくる全体感に軽さはなくミッチリと詰まって重量感もある(実際、軽いバイクではない)
排気音は音圧があり、迫力に繋がっている。
以前、乗っていたSR400のエンジンを二基並べたより、まだ大きいエンジンであるからして、さもありなんなのだけれど。
試乗こそしなかったが、間違いない一台であると確信したのである。試乗しなかったのは”乗ると即決してしまう病”の発症を回避するためですね。持病なので。

現在、オプションの選定や現車で投入した装備類からのフィードバックで取捨選択を勘案している。
パニアケースは一種の憧れであり、相当にこだわって装備したがなくてもなんとかなる。いや、あるべきだ。脳内会議は紛糾するばかりである。
海外調達の比率が高くなるため、現状の円安も悪影響である。かつてNX700Xの装備を海外調達した時というのは、悪夢的円高という時代であり、それと比べると現状の為替は倍近い差がある。
それら全てを勘案した上で総額見積に付帯コストを乗せて、真の総額を算出するのである。

私がごく近い将来に於いてこのスピードツインを入手したならば、超長距離ツーリング(片道1200km)を行い、老いた両親に会いに行きたいと思っているのである。
バイクは一人乗りなので流行病感染のリスクもないからね。


2022年12月29日木曜日

MysteryRanch野郎


リュックサックを悩みたいなぁ、という気持ちはいつだってある。
用途を想定し、使い勝手を想像し、その佇まいを夢想する。
用途といっても、通勤か廃墟探索かの2つしかないのだけれど。

以前、MRのStreetFighterを購入して過不足なく使っている。
当時懸念した防水加工の劣化もなく、大変に頑丈であり、背負い心地も素晴らしい。
難点を挙げれば、メインコンパートメントの開口が狭いので奥底にある荷物を素早く取り出すのは難儀する。
小分けポケットが少なく、容量もごく小さいのであれこれ小物を入れるのは不向き。
別にこれらが致命傷だとは感じない。
つまり買い替える必要を感じるには至っていない。
おしまい。

ではなくて。
私のヨドバシカメラのポイントが激しく貯まっているのである。アマゾンのポイントも貯まっているのである。ならば”購入目線”でリュックサックを眺めるのも大変によろしいのではないでしょうか。

候補①


いきなりの本命。2 Day Assaultである。
MRの特徴ともいえる3ZIP。
上蓋はガバーっと開き、下側へのザーッと開く、それは魚を捌く職人のように。いや、そういうイメージで、実際にはどういうスピード感で開くのかは分かりません。
このリュックは大変知名度があり、数々のレビューがある。総じて良好なのである。「こりゃだめだ」と言っている先人は居ないのである。

候補②


District 24 である。
なんとも都会的なモノフォルムである。
このディストリクトはポーチなどの小さなモデルからラインナップされており、統一感のあるデザインが好ましい。
このポーチに触ったことがあるのだけれど、ゴツ過ぎず、ペラ過ぎず、軽快感があるのにしっかりしていた。
さすがMRなバランス感で作られていた。

道のない山林を半日もうろついていると枝やら葉っぱやら虫の死骸やらがリュックに大量に付着、あるいはポケットに飛び込むことになる。その意味ではこういった抵抗感なさげなデザインは好ましいのではないかと。

候補③


Blitz 35 である。
いかにも、である。これが似合う方というのは強化された人間であり、収納するべきものは精密な測定具だとか対人地雷だとかそういうものであろう。
あるいは高度に洗練されたキャンパー(というよりソロハイカー)が厳選された道具を詰め込むのが正しいと思われる。
私が詰め込むのはカメラとカメラとドローンと電池とオニギリとカレーパンと麦茶なのである。
カタチは惹かれるのだけれど、上蓋式なのでちょっと…。

候補④

Rip Ruck 32 である。
カタチがなんとなく可愛らしいので、首をひねってしまうのだが、機能的な印象もある。
そして、長時間眺めていると引き込まれるような魅力が染み出してくるようでもある。
蓋もガバーっと系に見受けられる。
底部へのアクセスは特に回答がないようだけれど、素早く出し入れするアクション性はあるだろう。

特徴的な二つの収納。こういうポケットは意外と使わないんだよ、と玄人ぶってみても実態としてはあれこれ詰め込んでしまうのである。
このポケットもなんだか凝った作りなのである。本体の蓋と同じく二条式のジッパーに留め具もワンタッチ系の上等なやつ。安易にサイドリリースバックルにしていない。
こりゃあ良いゾ、と思わせてくれる。


総じて、どれもこれもいい。ミステリーランチの製品は全部いい。
世の中には他にも優れた背負いものがあるのは分かっているのだけれど、ミステリーランチ以外を選ぶ必要はないような気がしている。

山をうろつくののは2 Day Assaultが良さげ。
通勤や旅行にはRip Ruck 32かな。
District 24も都会的で街には良い。
悩むべき対象があるのは嬉しいことなのである。
悲しむべきは全てを買う資力がないことと、全てを使うだけの生活(と趣味)の多様性がないことなのである。



2022年12月22日木曜日

AngelEyes E1

もう随分と前だけれど父の日なるイベントがあった。
随分と縁の薄いイベントなのだけれど、海外勢はとにかくやる気(売る気)満々なのであった。
当然の如く、ライトメーカーから怒涛のようにメールが到来する。
なるほど、これは盛り上がるべきイベントなのだな、と理解してライトメーカーの巡回を開始したのが運の尽き。
RovyVonである。
小型ライトで鋭い製品を出すイメージがある。
いくつかは所有し、便利に使っている。
このメーカーの新製品にはいつも惹かれるのである。
若干、実用性に乏しいというかアレなところもあるけれど。

これまで相応の数のライト持ち、現場で落っことしてきた身からすれば、ライトの形状(断面)が丸いというのは大いなるマイナスポイントになり得る。
アンチローリングなんとか、と多角形っぽくしてあるライトもあるのだけれど、んなもんは1mくらいから落とせば余裕で転がる。転がって、その先の更なる深みに再落下する。あるいは水中に没する。
お前の環境が特殊なんだと言われればそうなのだけれど。
落っことすというのもランヤードを付けろよ、という解決手段はある。あるけれど、そういう使い方だけではなく。

今、使っているのはStreamLightのDUALIEなのだけれど、こいつはクリップのところ(と尾部)に強力なマグネットが埋め込まれているので転がらずに止まるのである。
そういう場所で使うので。

現場用ライトとして有能。DUALIE


で。
四角いライトがいいな、という想いがありまして。
転がらないという実用性とカタチとして面白いを両立しているから。
ということでAngelEyes E1である。

AngelEyesE1

バッテリーが内蔵Li-Poと乾電池の同居型でいずれかの電力を使うというシステムは同社のHybrid H3 Pro Urban EDC Tactical Flashlightと同じである。

単4”も”入る


四角いボディの質感もまずまず高く、コロンとしたサイズ感も愛嬌がある。いわゆるEDCライトという小型軽量のものであり、ガンガン使うものではない。
配光は広めで好ましい。
二つのスイッチで電源切替から照度変更まで行うため、操作は煩雑。あまり直感的ではない。
これのもっとデッカイのが出ないかなぁ、と思うのでした。