2023年12月25日月曜日

サヴォッタのケイッカ


サヴォッタのケイッカ

この耳慣れない名称はスウェーデン的響きなのである。

サヴォッタは元はバックパックやテントでその筋には知られたメーカーとのこと。
バックパックやテントも好物ではあるものの知らなかった。

今回は仕事用のボストンバッグ的なバッグを探していて出会ったのである。
出張の形態が変わり始め、作業服や靴、ヘルメットすら持参するスタイルになってきた。これまではペリカンのキャリーケースを用いてきたのだが、国内出張ではやや持て余してしまう。

考え方というかスタイルとしてスーツ着用ならばビジネスバッグの延長線でまとめたいのだけれど、移動時は私服で現地で作業服という流れが強まってきた。
であれば、ボストンバッグもいいよね、という発想。

さてケイッカである。
先ずは馬蹄型の開口部が目を引いた。大容量バッグであればあるほど中身はカオス化するため、開けた時に中身が一覧できるというのが重要になる。
そして大きさ。ケイッカの30Lというサイズにしたのだけれど、想定される荷物量的(+お土産)にこれでジャストサイズと考えた。結果的に正解であった。

ケイッカ30L

で、これくらいのサイズ、使い勝手のボストンバッグは実はいくらでもある。30Lというのは小さ目なのだけれど、それでも選択肢は広い。

なのになぜサヴォッタのケイッカであったかと言えば、それは佇まいですね。
このコロンしたフォルム。
主張の少ない地味なデザイン。
質実剛健な作り。

だがしかし。
全身に漲る”強度感”
どこもかしこも硬く、厚い。
ああ、ここらへんからヘタっていくんだろうな、という予感を一切寄せ付けない。

例えば。
持ち手。これは通常、バッグ本体に強固に縫い付けられている。何重にも。
持ち手は二つであるから、4点に荷重が集中することになる。これはバッグとして当然のこと。だからこそ弱点にもなり得る。ここが解れ始めたらバッグとして終わりであり、万が一運搬中に一点でも外れればバッグは落下する。
ケイッカは違う。
この持ち手は2本の長い帯であり、底面まで回り込んで反対側の持ち手となっている。
何がここまでさせたのか分からないくらいの強度重視である。
サヴォッタというメーカーの執念じみた拘りなのだろう。

底面に回る持ち手の帯の縫製が見える

既に実用に供しているのだけれど、気になる点は強度重視のあまりショルダーストラップの取付金物がガンスリングのような鉄製であり、クルマの後部座席に置いていると微妙に”鳴る”
またショルダーストラップ自体にクッションも滑り止めもない。
これらは後付け対応でなんとでもできるのだけれど。
そういうことは考慮してないからね、というメーカーの硬質な姿勢もなんだか好ましい。
つまり、大変気に入って使っているということです。

2023年9月18日月曜日

OtterGrip Symmetry Series for MagSafe

iPhoneを買うことにした。
iPhone15PROである。

現用iPhoneは2017年の発売食後にアップルストアで購入したので6年使っている。昨年、バッテリー交換を行ったがやはり往時の性能は発揮されていないように感じる。

で、iPhone自体はまあどうでもいいんです。いや凄く高価であってMacbook(AIR)より高いのはどうなのか!とかありますけれど、物価高やら円安やらありますからね。
大人しくキャリアから買えば月々支払いで負担は軽いのかも知れませんがそこは意固地にアップルストアから購入すると決めているので。キャリアのクソアプリとか入ってるのは欲しくない。

でで、ケースです。むしろこっちが本命。
10万円を超える、今回に至っては四捨五入で20万円にもなる端末を裸で持ち歩いてゴトリと落としてバリバリと割ってしまうなど絶対に回避しなければならない。
なによりケース選びが楽しい。
ということで本体の色とかどうでもいいんです。ケースで隠れちゃうし。

元々かつ今も現役のペリカン派閥なのです。
ケースといえばペリカン。
しかしこの数年間で理解したことがある。
それは”ペリカンは携帯端末のケースに本気ではない”ということ。
既に携帯端末ケースはCASEMATEというメーカーに委託的なことになっている。
今回のiPhone15シリーズも発表に合わせてフルラインナップを並べるわけでもなく、沈黙。

であれば。
次はOtterboxです。

iPhoneに限らないけれど、高機能端末というのはとにかく重い。軽く薄く、という価値観は過去のいずれかの時点に置き去りにされ性能至上主義であり、画面の大きさ優先となった。
であるため、バンカーリング的なサポートホルダーを取り付けることになる。
しかし、もう一方の便利機能であるワイヤレス充電との関係性がとてつもなく悪い。充電できなくなる。あるいは発熱したりする。

このジレンマに遭った時、Otterboxはポップソケットをケースに内蔵するという奇手でジレンマを解消してきた。このポップソケット内蔵ケースの登場には大いに興奮し直ちに購入したのである。

ポップソケット内蔵のOtterboxケース

当然、今回のiPhoneについてもそうする。

が。
時代は既にワイヤレス充電の次の段階であるMagSafeに進んでいた。
これは磁力で様々なアクセサリーをiPhoneに取り付けたり、充電する機能であり、このMagSafe機能は享受したい。しかしサポートホルダーも必須。ポップソケットはワイヤレス充電は出来るけれどフラットにはなっていないのでMagSafeとは相容れない。
つまりケース背面に於いて完全にフラットになりつつ、サポートホルダーも具備していなければならない。
さあ、どうする。

どうするもこうするもOtterboxが解決してました。
そんなこったろうと思いました。
ということで、これまた随分と高価になっちゃってるOtterboxを買いました。
これで全てが解決する。
こういうですね、複数の問題というかジレンマを一発で解消する買い物というのは楽しいものです。借り物の表現をするならば”痺れる”

OtterGrip Symmetry Series for MagSafe


2023年3月20日月曜日

スピードツインにペリカンケース④

アルミ製ゼッケンプレートを装着してみたのである。
これはこれでカッコイイので普段はこれでいいかも、なのである。
が、このゼッケンプレートはSLC金物を入手するための”生贄”なのである。

アルミゼッケンプレート

誤算としてはこのアルミ板は湾曲しており、ペリカンケース魔改造時のバックプレートとしては不適切であったこと。

ということで、アルミ板とSLC金物を分離。
前車に取り付けていたペリカンケース(Pelican1500)に仮合わせ。特に問題無し。
ただ、取付ネジ(ボルト/ナット)は強度の高いものを使わないと危険な感じがする。

SLC”金物”とPelican1500

Pelican1500とスピードツインのフィッティングも確認。ちとデカい。
が、干渉するものはない。
後部ウインカーとの干渉もない。
問題があるかも知れない点は排気ガス。
これがケース底部に熱影響を与えるかも知れない。ここは検証が必要。検証するためには取り付けて走る必要がある。

ちとデカい。


干渉は特に無し。

ということで方針固め。
既存ケースであるPelican1500をSLCキャリアに搭載してみて様子を見る、です。


2023年3月14日火曜日

スピードツインにペリカンケース③

右側のみにSLCキャリアを取り付けた状態のスピードツイン(900)
半ば実験的にSLCキャリア用のゼッケンプレート(右側用)を注文してみた。

届いてみて笑いましたね。
要は自分で組み立てなさい、ということ。
この金物をゼッケンプレートではなくペリカンケースに穴空けて取り付ければ、完成なのである。

が、完成しません。

まず、ケースが決まっていない。
NC700Xに付けていたケースを再加工して流用する、という方法がある。
但し、ケースが結構大きいのである。
かといってこれを使わなければケースが無駄になってしまう。既に前車に取り付けるために穴空け加工をしてしまっているから、普通のペリカンケースには戻せない。
しかし相応に重いのでSLCキャリアが耐えられるか、という心配もある。

一方でトップローディングのペリカンケースを使う、使いたい、という欲求もある。
これは大きさ自体がコンパクトなのでスピードツインのシルエットを加害しない。
もちろんコンパクトな分、荷物は入らないのだけれど。

で。
何で立ち止まっているかと言えば。
価格である。
ペリカンのトップローディングケースはPelican1430なのだけれど、これ何故か価格が高騰しており、130ドル近くするのである。 これはちょっと適正価格じゃないんじゃないか、と思うわけです。
Pelican1430

そんなところへペリカンヴォルトケースですね。
要するにペリカンが買収した同業他社のケースですね(だったかな?)
今はペリカンのサブブランド的な感じになっております。物としてはVault by Pelican V250。
これなら約60ドル。

Vault by Pelican V250

これらのトップローディングケースにSLCキャリア用金物を”移植”する、というのが今回のスピードツインに於けるパニアケース装備計画になるわけです。
一応、既存のペリカンケースを救済する、も諦めずに仮搭載まではやってみるつもりです。
もったいないから。


2023年3月9日木曜日

スピードツインにペリカンケース②

本当にスピードツインにペリカンケースというのは需要がないのか!?
というか、バイクにペリカンケースというのは奇妙な組み合わせなのか!?

どうやらそうみたいですね。
実は知ってました。

前回の逡巡の結果、スピードツインに取り付けるマウントはSW-MOTECHのSLCキャリアと決定した。
それらは直ちに発注され、なぜか右側だけ到着し、左側は1ヵ月後ということに。まあそれはいい。

SLCキャリアには対応したバッグしか取り付けできませんよ。そして、その対応バッグの金物だけの販売はありませんよ。つまりバッグを買って切り刻んで分解して金物を摘出するしかないんだよ。
そんな”もったいない”ことをしていいのですか?頭がおかしくなっていませんか?

ええ、実は随分前からおかしいんです。

海外の先輩による摘出したSLCキャリア金物とケースの仮合わせ

先に金物を摘出した後のことを考える。
これをペリカンケースに取り付けるのは簡単なのだけれど、もうひとつ用意すべきものがある。
それがバックプレート(補強)である。

同氏による自作バックプレートの製作の様子

ペリカンケースは大変頑丈であるが、それは一種のモノコックだからでありボディを貫通する穴を開けて固定し、振動に晒すとなると話は少々変わってくる。要はSLCキャリアの金物を取り付けた裏側(ケースの内側)に”補強”が必要なのです。

これはホームセンターで適当なアルミ板でも買ってくれば良い話ですね。

さて、切り刻む対象となるものを物色。
しかし、あれですねレジェンドギアいいですね。

私が参考にして写真すら無断使用させてもらった海外の先輩によれば、バッグではなくユニバーサルキャリアというものから金物を取り外したということである。
これは大変スマートな方法なので、写真のみならずアイデアも盗用することにします。
なにより上等なバッグを切り刻むということをしなくていいのは助かる。精神的に。

ユニバーサルキャリア(SLC)

さて買うか、と探していたら値段で少し躊躇い、ウロウロとしていたら違うものを見つけたのです。

それがSLCキャリア用ゼッケンプレート。
なんてことはない、楕円のプレートにSLCキャリア対応の金物が付いてるだけ。
カフェレーサーやビンテージレーサーはこういったところにゼッケンを付けるのでそれをイメージしたんでしょうね。
SW-MOTECHとしてはサイドパニアを付けてないときはこれを付けておきなよ、カッコいいから、みたいな発想だったと思われます。

ゼッケンプレート(SLC)

このゼッケンプレートの良いところは、このゼッケン自体を補強用バックプレートとして流用してしまえる可能性があるところ。
更にユニバーサルキャリアより安価なのです。
二兎追って二兎とも仕留めた感あり。

2023年2月14日火曜日

スピードツイン(900)にペリカンケース①

狂気と情熱(逡巡中)

スピードツイン900というバイクがある。目の前に。
それはともかく。
これにペリカンケースをサイドパニアケースとして積まなければならない、という使命感がある。

過去にNC700Xにペリカンケースを搭載した。
車体に剛体接続される”金物”はSW-MOTECH
そこにペリカンケースを接続するための”金物”はツイステッドスロットル。
この組み合わせで実現することができた。

”ペリカンケース パニア”で検索すると、相応の検索結果は出るものの、相変わらずこの界隈は”自作”が主流のようである。というか、このブログさえ検索結果に出てくる始末。
つまり、ペリカンケースをサイドパニア化する、というのは狂気であり、実現するには情熱が必要なのである。

まず、パニアケースというものについて。
私の場合はサイドパニアケースなのである。
トップケースは嫌いなのである。車体のシルエットを崩すからね。オーバーハング外なのも好ましくない。
そしてパニアケースというのは普段は付けないのです。ツーリングとか冒険とかそういう時にだけ付けるのである。一張羅なのである。

これがどういうことかと言えば、パニアケースを取り付ける台座となる”金物”だけが普段からバイクに付いている状態であり、その金物自体が車体の美しさを損なってはならないのである。
である、とか言っていますが、この感覚はスピードツインだから芽生えたのです。
前車のNCの時は”ゴツい方がカッコイイ”くらいの感覚だったのです。

ということで、車体に取り付ける台座である金物を片端から調べていくと、最終的に残ったのは前回同様のSW-MOTECHのSLCキャリアとHEPCO&BECKERのC-BOW。
この二つは甲乙付け難しなのだけれど、私の感覚ではSLCキャリア。
スピードツイン用もちゃんとある。
SLCキャリア

C-BOW


さて、問題はここから。
SLCキャリアにペリカンケースを取り付ける。
この二つを結び付けてくれる”製品”は存在しない(と思われる)
SLCキャリアは専用のバッグを取り付けるためのもの。クイックに脱着するための工夫が凝らされている。

つまり、バッグを買ってその”クイック脱着装置”を摘出(分解)してペリカンケースに移植する、という手術をすればいいのである。
いいのである、とか簡単に言ってますけれど、ちゃんとした製品を分解するのは大いに抵抗がありますよね。安いもんじゃないし。

という視点で唸っていたら、アメリカ人のfastenovaという方がフォーラムを開設しておりまして、彼は私と同じ考えを持ってSW-MOTECHに問い合わせをしているわけです。
「クイック脱着装置だけ売って」
その返答は「無理」
で、彼はやったわけです。手術を。
そして成功したのです。
つまり先例がある。
彼の素晴らしいところは手術の工程を細かに写真に残して公開してくれていることなのです。
工作の難易度的には私でも充分にできる。


よし、これだ。
と言いつつ、分解するターゲットを探し始めていたらば。
なんというか。
いいんですよね。レジェンドギアとか。
「これでいいじゃないか…」と確信させる佇まいなんですよ。
これを切り刻んで使用不能の布切れにしてしまうことになるのです。
卑しくもモノ作りに携わる者としてこれは正しいのか…。
レジェンドギアLC-2