2024年12月3日火曜日

ラムダッシュパームイン

髭剃りの話です。
私は髭が薄い方なのだけれど伸びてくると神経質的な不快感があるので毎日剃ります。
電動シェーバーから始まってT字カミソリの複数枚刃、また電動シェーバーと迷走を繰り返してきたのだけれど、最近は電動シェーバーに落ち着いてきた。

で、その電動シェーバーのことなのだけれど。
まず価格という切り口でブランド品だと1万円弱くらいから5万円くらいまでというラインナップになっている。
機能面で差別化はされているものの「どうでもいいや」というレベルに感じる。
とはいえ最高位機種はやっぱり良い、であろう。
ではそれが1万円の下位機種から機能分の価格を積み上げていって5万円になるのかね、どうなんだね、という疑問も湧く。
まあ、それは下位機種に於けるバリューだったり最高位機種のプレミアムだったり、要するに人それぞれということでいいと思います。

この電動シェーバー界において最も問題なのは“柄”ですよ。え。持つところ。
更に言えばそこに繋がるメーカー専用充電端子ですよ。
コンパクトであることを放棄して使いやすい道具であることを追求した結果であり、特に最高位機種に於いては制御チップなどの高尚な部品がミチミチに入っているはずであろう“柄”
専用充電端子も安全性を担保するために重要なのだろうと思います。
電動シェーバーとはこういうものだ、という普遍的な感覚が支配していたわけです。この界隈では。

そこに唐突に新風を吹き込んできたのが、保守勢力かと思量していたパナソニック。
ラムダッシュパームインですね。
これをWEB広告で目にしたときはびっくりした。
だって“柄”がないのだから。
そして充電はUSB-Cなのである。
なのにラムダッシュシリーズの5枚刃!と機能に妥協がない。


つまり“柄”は要らんかったんや…という結論をメーカー自身が潔く認め、充電もUSB-Cで問題ございませんと開き直ったのである。
これは大英断だと思うのです。

私はWEBで広告を見て「!」となり出張先でその発売日を迎えているとに気が付き宿泊地(首都圏)のヨドバシカメラに突入して実物を拝んだのである。剥き出しの購入意欲を携えて。
が、その時は価格を見て少し冷静になるべきであると手ぶらでヨドバシカメラを後にしたのだけれど、後日改めて発狂して購入したのである。

高いんですよ。ラムダッシュパームイン。
私は新素材じゃないモデルを買ったので3.3万円ほどでした。
ミネラル配合樹脂製なら更に高いのである。確かに面白い触感だったけど「なんか滑りそう」であり「ボディ素材は重視しない」だったので候補にならず。
高かったんですが、個人的満足度はかなり高い。
大変良く剃れる。
これは私のように髭が薄い人間にとっても重要なことなのです。
薄く、まばら、であるからこそ剃り残しが気になるのです。
サイズ感はもちろん、USB-C充電も最高です。
家でも出張でも使う、というスタイルがこれで実現したのです。
ピッタリサイズで保護性能も申し分ないケースも付いてくるし。
AI機能もまあ搭載されてるとのことですが、これは流行乗っかり感かな。
水洗いもできるし、電動シェーバーとしての隙はほとんどない。あってもメリットが上回る。

“柄”がないことで確かにハンドリングは悪い。
当初の数回はそう感じたけれど、剃り残しチェックの時に掌で顎をさするような動き、この時に正に“パームイン”して剃ればいいじゃないか、ということなんですね。違いますか、パナソニックさん。

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2024年3月18日月曜日

SINN 556.I.RS

物事には因果があるのです。
ドイツのSINNというメーカーがある。
これは現代の我々から見ると腕時計のメーカーである。
かつては航空機の計器を製造していた会社でもあった。
ここの腕時計はとにかく視認性が高い。それがテーマになっていると感じられる。メーカー側もこだわっている。計器メーカーだからこそ、ということなのだろう。
まあ、ここらの蘊蓄は公式サイトや詳しい方の解説を読んでいただくとして。

腕時計というのは趣味性において歴史(や背景)が重要となる。
こういうコンセプトで作りまして、こういう場所にも着けていってもらいまして、こういう実績がありまして、だから”良い”んですよ、というセールストークになる。

さて私もかつて”生涯を共にする腕時計”というテーマを持って時計を求めた。
おっさんのエゴイズムに基づいた、とも言える。
その過程で様々な上等な時計を見てきた。
どれもこれも良いのである。
グランドセイコー、ザ・シチズン、国産の雄、二大巨頭のこれらは実際に腕に装着してみるところまでした。
一方でシチズンのシリーズ8が刷新され興味が復活もした。これも実物を検分した。実に素晴らしい時計だった。
どれもこれも上等で素晴らしかった。
だけれども、キラキラ過ぎるのである。
一分の隙もなく磨かれ、精密に加工されたそれらはほんの僅かな光すらキラリで返してくる。
針も文字盤もケースもそうなのである。
凹凸を強調するようなダイナミックな加工でもあり、加飾である。
ここが違和感に繋がった。
要するに目立つんである。
着用者がパッとしないおっさんであるからして、腕(の時計)だけがキラキラというのはいけないと自認したのだ。言い換えれば似合わない。
それは品の悪そうな親父がジャラジャラさせている金時計のようなものなのである。
そうじゃないんである。

原点に立ち返れば。
中学生の頃にモノマガジンの広告で見たSINNの時計。
それはSINN 156Bだったのだけれど。
いつかこれを買うぞ、と決めたのである。
当時は針が多い程カッコイイと思っていたのだ。
ともあれ、SINNに立ち戻ってみたのだ。
そしたらば556というモデルが目についた。
目についたというか目を奪われた。

sinn 556.I.RS

ということでSINN DEPOTなる公式ショップに突撃。実機検分をしてみた。
実物を目の前してみると、写真で見るよりもキラキラ度があったのだけれど、かなり控え目。
というか、文字盤のドーンと沈んだような漆黒、レタリング(私が見たのはバーインデックス)の落ち着き具合、血の色の秒針。
ちょっと逆に浮いてるかもと感じるくらい存在感のある文字盤なのである。浮いてるというか沈んでるというか。これはもう宇宙だな、この中は宇宙だ、という結論に達したのだけれど、すぐさま財布を出すことを思い止まることには成功した。

こういった高級時計を扱うショップはあまり経験がないのだけれど、販売員の方も大変な紳士っぷりで好ましい。
腕時計が“男の逸品”の座から陥落し、ファッション性からも軌道を異とし、機能性ではスマートウォッチに譲り、あろうことか投機の対象となるような現状である。
ゼンマイ仕掛けの機械に数十万円をかけるのは時代遅れ、ということだと理解している。
それはそれで「そうなんだ」と言える。
「だからこそ」と逆張りをするつもりもない。
単純にロマンなのである。私にとってのロマンなのです。
もちろん実用性も含めて。

後日談としては「買いました」なのである。

とうに人生の折り返しを過ぎているのであり「いつかは良い時計を」などと引き延ばすことにメリットはなく、残り時間は刻々と減少していっているのである。
もちろん高額な買い物なので無理は禁物だけれど、幸いにして無理はしなくても大丈夫なタイミングが到来したのであった。
全ての養生フィルムを剥がしたSINN556は本来の抑えた光沢と漆黒の文字盤が強調されており大変に素晴らしい。
しっかりと使っていくのである。

2023年12月25日月曜日

サヴォッタのケイッカ


サヴォッタのケイッカ

この耳慣れない名称はスウェーデン的響きなのである。

サヴォッタは元はバックパックやテントでその筋には知られたメーカーとのこと。
バックパックやテントも好物ではあるものの知らなかった。

今回は仕事用のボストンバッグ的なバッグを探していて出会ったのである。
出張の形態が変わり始め、作業服や靴、ヘルメットすら持参するスタイルになってきた。これまではペリカンのキャリーケースを用いてきたのだが、国内出張ではやや持て余してしまう。

考え方というかスタイルとしてスーツ着用ならばビジネスバッグの延長線でまとめたいのだけれど、移動時は私服で現地で作業服という流れが強まってきた。
であれば、ボストンバッグもいいよね、という発想。

さてケイッカである。
先ずは馬蹄型の開口部が目を引いた。大容量バッグであればあるほど中身はカオス化するため、開けた時に中身が一覧できるというのが重要になる。
そして大きさ。ケイッカの30Lというサイズにしたのだけれど、想定される荷物量的(+お土産)にこれでジャストサイズと考えた。結果的に正解であった。

ケイッカ30L

で、これくらいのサイズ、使い勝手のボストンバッグは実はいくらでもある。30Lというのは小さ目なのだけれど、それでも選択肢は広い。

なのになぜサヴォッタのケイッカであったかと言えば、それは佇まいですね。
このコロンしたフォルム。
主張の少ない地味なデザイン。
質実剛健な作り。

だがしかし。
全身に漲る”強度感”
どこもかしこも硬く、厚い。
ああ、ここらへんからヘタっていくんだろうな、という予感を一切寄せ付けない。

例えば。
持ち手。これは通常、バッグ本体に強固に縫い付けられている。何重にも。
持ち手は二つであるから、4点に荷重が集中することになる。これはバッグとして当然のこと。だからこそ弱点にもなり得る。ここが解れ始めたらバッグとして終わりであり、万が一運搬中に一点でも外れればバッグは落下する。
ケイッカは違う。
この持ち手は2本の長い帯であり、底面まで回り込んで反対側の持ち手となっている。
何がここまでさせたのか分からないくらいの強度重視である。
サヴォッタというメーカーの執念じみた拘りなのだろう。

底面に回る持ち手の帯の縫製が見える

既に実用に供しているのだけれど、気になる点は強度重視のあまりショルダーストラップの取付金物がガンスリングのような鉄製であり、クルマの後部座席に置いていると微妙に”鳴る”
またショルダーストラップ自体にクッションも滑り止めもない。
これらは後付け対応でなんとでもできるのだけれど。
そういうことは考慮してないからね、というメーカーの硬質な姿勢もなんだか好ましい。
つまり、大変気に入って使っているということです。

2023年9月18日月曜日

OtterGrip Symmetry Series for MagSafe

iPhoneを買うことにした。
iPhone15PROである。

現用iPhoneは2017年の発売食後にアップルストアで購入したので6年使っている。昨年、バッテリー交換を行ったがやはり往時の性能は発揮されていないように感じる。

で、iPhone自体はまあどうでもいいんです。いや凄く高価であってMacbook(AIR)より高いのはどうなのか!とかありますけれど、物価高やら円安やらありますからね。
大人しくキャリアから買えば月々支払いで負担は軽いのかも知れませんがそこは意固地にアップルストアから購入すると決めているので。キャリアのクソアプリとか入ってるのは欲しくない。

でで、ケースです。むしろこっちが本命。
10万円を超える、今回に至っては四捨五入で20万円にもなる端末を裸で持ち歩いてゴトリと落としてバリバリと割ってしまうなど絶対に回避しなければならない。
なによりケース選びが楽しい。
ということで本体の色とかどうでもいいんです。ケースで隠れちゃうし。

元々かつ今も現役のペリカン派閥なのです。
ケースといえばペリカン。
しかしこの数年間で理解したことがある。
それは”ペリカンは携帯端末のケースに本気ではない”ということ。
既に携帯端末ケースはCASEMATEというメーカーに委託的なことになっている。
今回のiPhone15シリーズも発表に合わせてフルラインナップを並べるわけでもなく、沈黙。

であれば。
次はOtterboxです。

iPhoneに限らないけれど、高機能端末というのはとにかく重い。軽く薄く、という価値観は過去のいずれかの時点に置き去りにされ性能至上主義であり、画面の大きさ優先となった。
であるため、バンカーリング的なサポートホルダーを取り付けることになる。
しかし、もう一方の便利機能であるワイヤレス充電との関係性がとてつもなく悪い。充電できなくなる。あるいは発熱したりする。

このジレンマに遭った時、Otterboxはポップソケットをケースに内蔵するという奇手でジレンマを解消してきた。このポップソケット内蔵ケースの登場には大いに興奮し直ちに購入したのである。

ポップソケット内蔵のOtterboxケース

当然、今回のiPhoneについてもそうする。

が。
時代は既にワイヤレス充電の次の段階であるMagSafeに進んでいた。
これは磁力で様々なアクセサリーをiPhoneに取り付けたり、充電する機能であり、このMagSafe機能は享受したい。しかしサポートホルダーも必須。ポップソケットはワイヤレス充電は出来るけれどフラットにはなっていないのでMagSafeとは相容れない。
つまりケース背面に於いて完全にフラットになりつつ、サポートホルダーも具備していなければならない。
さあ、どうする。

どうするもこうするもOtterboxが解決してました。
そんなこったろうと思いました。
ということで、これまた随分と高価になっちゃってるOtterboxを買いました。
これで全てが解決する。
こういうですね、複数の問題というかジレンマを一発で解消する買い物というのは楽しいものです。借り物の表現をするならば”痺れる”

OtterGrip Symmetry Series for MagSafe


2023年3月20日月曜日

スピードツインにペリカンケース④

アルミ製ゼッケンプレートを装着してみたのである。
これはこれでカッコイイので普段はこれでいいかも、なのである。
が、このゼッケンプレートはSLC金物を入手するための”生贄”なのである。

アルミゼッケンプレート

誤算としてはこのアルミ板は湾曲しており、ペリカンケース魔改造時のバックプレートとしては不適切であったこと。

ということで、アルミ板とSLC金物を分離。
前車に取り付けていたペリカンケース(Pelican1500)に仮合わせ。特に問題無し。
ただ、取付ネジ(ボルト/ナット)は強度の高いものを使わないと危険な感じがする。

SLC”金物”とPelican1500

Pelican1500とスピードツインのフィッティングも確認。ちとデカい。
が、干渉するものはない。
後部ウインカーとの干渉もない。
問題があるかも知れない点は排気ガス。
これがケース底部に熱影響を与えるかも知れない。ここは検証が必要。検証するためには取り付けて走る必要がある。

ちとデカい。


干渉は特に無し。

ということで方針固め。
既存ケースであるPelican1500をSLCキャリアに搭載してみて様子を見る、です。


2023年3月14日火曜日

スピードツインにペリカンケース③

右側のみにSLCキャリアを取り付けた状態のスピードツイン(900)
半ば実験的にSLCキャリア用のゼッケンプレート(右側用)を注文してみた。

届いてみて笑いましたね。
要は自分で組み立てなさい、ということ。
この金物をゼッケンプレートではなくペリカンケースに穴空けて取り付ければ、完成なのである。

が、完成しません。

まず、ケースが決まっていない。
NC700Xに付けていたケースを再加工して流用する、という方法がある。
但し、ケースが結構大きいのである。
かといってこれを使わなければケースが無駄になってしまう。既に前車に取り付けるために穴空け加工をしてしまっているから、普通のペリカンケースには戻せない。
しかし相応に重いのでSLCキャリアが耐えられるか、という心配もある。

一方でトップローディングのペリカンケースを使う、使いたい、という欲求もある。
これは大きさ自体がコンパクトなのでスピードツインのシルエットを加害しない。
もちろんコンパクトな分、荷物は入らないのだけれど。

で。
何で立ち止まっているかと言えば。
価格である。
ペリカンのトップローディングケースはPelican1430なのだけれど、これ何故か価格が高騰しており、130ドル近くするのである。 これはちょっと適正価格じゃないんじゃないか、と思うわけです。
Pelican1430

そんなところへペリカンヴォルトケースですね。
要するにペリカンが買収した同業他社のケースですね(だったかな?)
今はペリカンのサブブランド的な感じになっております。物としてはVault by Pelican V250。
これなら約60ドル。

Vault by Pelican V250

これらのトップローディングケースにSLCキャリア用金物を”移植”する、というのが今回のスピードツインに於けるパニアケース装備計画になるわけです。
一応、既存のペリカンケースを救済する、も諦めずに仮搭載まではやってみるつもりです。
もったいないから。


2023年3月9日木曜日

スピードツインにペリカンケース②

本当にスピードツインにペリカンケースというのは需要がないのか!?
というか、バイクにペリカンケースというのは奇妙な組み合わせなのか!?

どうやらそうみたいですね。
実は知ってました。

前回の逡巡の結果、スピードツインに取り付けるマウントはSW-MOTECHのSLCキャリアと決定した。
それらは直ちに発注され、なぜか右側だけ到着し、左側は1ヵ月後ということに。まあそれはいい。

SLCキャリアには対応したバッグしか取り付けできませんよ。そして、その対応バッグの金物だけの販売はありませんよ。つまりバッグを買って切り刻んで分解して金物を摘出するしかないんだよ。
そんな”もったいない”ことをしていいのですか?頭がおかしくなっていませんか?

ええ、実は随分前からおかしいんです。

海外の先輩による摘出したSLCキャリア金物とケースの仮合わせ

先に金物を摘出した後のことを考える。
これをペリカンケースに取り付けるのは簡単なのだけれど、もうひとつ用意すべきものがある。
それがバックプレート(補強)である。

同氏による自作バックプレートの製作の様子

ペリカンケースは大変頑丈であるが、それは一種のモノコックだからでありボディを貫通する穴を開けて固定し、振動に晒すとなると話は少々変わってくる。要はSLCキャリアの金物を取り付けた裏側(ケースの内側)に”補強”が必要なのです。

これはホームセンターで適当なアルミ板でも買ってくれば良い話ですね。

さて、切り刻む対象となるものを物色。
しかし、あれですねレジェンドギアいいですね。

私が参考にして写真すら無断使用させてもらった海外の先輩によれば、バッグではなくユニバーサルキャリアというものから金物を取り外したということである。
これは大変スマートな方法なので、写真のみならずアイデアも盗用することにします。
なにより上等なバッグを切り刻むということをしなくていいのは助かる。精神的に。

ユニバーサルキャリア(SLC)

さて買うか、と探していたら値段で少し躊躇い、ウロウロとしていたら違うものを見つけたのです。

それがSLCキャリア用ゼッケンプレート。
なんてことはない、楕円のプレートにSLCキャリア対応の金物が付いてるだけ。
カフェレーサーやビンテージレーサーはこういったところにゼッケンを付けるのでそれをイメージしたんでしょうね。
SW-MOTECHとしてはサイドパニアを付けてないときはこれを付けておきなよ、カッコいいから、みたいな発想だったと思われます。

ゼッケンプレート(SLC)

このゼッケンプレートの良いところは、このゼッケン自体を補強用バックプレートとして流用してしまえる可能性があるところ。
更にユニバーサルキャリアより安価なのです。
二兎追って二兎とも仕留めた感あり。