2016年8月21日日曜日

腕時計という存在。

時計をしない人がいる。
昔なら携帯電話、今ならスマートフォンで充分である、という考え方だ。
それも潔し。
社会人なら腕時計をするべきだという人もいる。
身分相応の手堅く落ち着いた腕時計でもって人と成りを表現するということだ。
それも文化だろう。

個人的には単に腕時計が好きなのである。
精巧緻密な機械を腕に取り付けていられるのが好きなのである。

一方で企業に勤める社会人でもあるわけで、人に会えば腕時計を見てしまう。
上場企業の社長の腕にグランドセイコー。なるほどね。
売り込みにきた営業さんのロレックス・エクスプローラー。ううむ。
設計技術者の腕にオメガ・スピードマスター。やりおるな。
高い安いであるとかブランドヒエラルキーであるとか、そういうことではなくてそれらはコダワリなのだと思う。良いと思ってるからその腕時計をしてるのだと思う。
ロレックスはリセールが良いとか、セイコーはロレックスより下とか、そういう“擦れた話”はあまり聞かない。ここは平和なのだ。

腕時計には永久性が求められると考えている。
時の流れは一定かつ永久的だとして、それを人間が分かるカタチで表現する為の装置がひとまずは時計である。
永久とは云いながら、我が残りの人生でずっと使える、いわゆる一生モノなのだ。
更に死後も動いていれば尚良い。

そういう意味ではこれまで機械式時計に注目していた。
メンテや修理の必要があっても動力機構が自己完結しているから。
電池であると、電池が切れれば終わり。未来で電池の規格が変わるかも知れない。
いわゆるソーラー式も同じ理由で一生モノにはならない気がしていた。
充放電を繰り返す二次電池が内蔵されており、これこそ規格品でなければメーカー在庫が切れた時点でその時計の死が来てしまう。
実は機械式とて同じことが言えるのだけれど、世の時計修理職人は部品を自作してでも直してしまう超人もいると聞く。
機械は修理できる、電池は自作できない、という感覚なのだ。

また親の影響でもある。父は在命だが彼はORISを愛好している。
子供の頃、あの機械式の運針を見せられ、これこそ良い時計なのだと教えられてきた。
良い時計=機械式という教えだったのだ。

さて、人生の半分を生きてきて腕時計を改めて買おうかとする。
趣味の延長では様々な腕時計を買い求めてきた。
父から譲られたORISもある。それぞれ気に入っている。

今回はいわゆる“おっさんの良い時計”というものを選ぶのだ。
私はおっさんになったのだ。
大したことないにしても地位や名誉や築かれてきた人物像に沿いつつ、冠婚葬祭やかしこまった儀式的業務でひるまずに腕を突き出すことのできる時計。
普通かつ良いもの。
こういうものを選んでみようじゃないか、という思考実験がスタートである。
従って発作的物欲がスタートではなく大げさに半生を振り返ってみて選ぼうとしているのだ。

基本は国産であろう、という想いがある。
それは外国人相手の仕事が多いということも関係している。
どうだ日本の技術は。
どうだこの野郎という圧力を体現したいところである。
セイコー、シチズン、オリエントが候補である。

セイコーにはグランドセイコーがある。
実物も見に行ったが大変良く出来た逸品であった。
きらきらと眩いくらいに研磨されている。
中身も機械式もあればスプリングドライブもある。
このスプリングドライブの凄さを敢えて運針だけで評価するなら機械式を上回るスムーズさであった。
あったんだけど、別にスムーズさが重要なのではなくて、連続して仕事してる感が大事なのだけれど。
なんにしても凄い時計だった。当然値段も凄い。
モノによってはバイクを買い替えた方が幸せになれるような金額である。

なんというか強気というか誇りというか。

シチズンにはザ・シチズンがある。
中でもエコドライブという名前だけでひねくれた私のような人間はダメなのだが、要はソーラー式のものが本流と見受けられる。
なにしろ地味な印象なのだが、そこに究極的な普通さ、普遍性が凝縮されている。
また精度的にも究極であるという評判だ。
なにより腕の細い私にもよくマッチしそうな小ぶりで薄めのケースがいい。
生真面目さを感じる。

オリエントにはロイヤルオリエントがある。
精度的にはイマイチなのだろう。
セイコー、シチズンはともかくオリエント?なにそれ?なのだろう。
だからこそオリエントを選びたくなる。
その知名度の無さだけでオリエントを愛したくなる。
人と違う時計してる俺ってカッコイイとか通ぶるとかそうじゃない。
オリエントを知らしめたいという義務感が湧出する。
結構いいと思うし実際いい時計のはず。

まあ半生を掛けた割にはコスト的制約というか価値観がある。
ざっくり言えば「お、これは」というモデルを選ぶとセイコー50万。シチズン30万。オリエント20万。
比べてみると、グランドセイコーにはブランドバリューが豊富に付加されているように感じられる。
セイコー自体に特別な想い入れがない為、この付加は価値にはならない。
ザ・シチズンはエコドライブという名前が引っかかってしまう。
30万もする時計を買わんとしているのにエコなワケないだろう。エコいらんだろ。
どっちかというとエゴなんだよ、おっさんの。
ロイヤルオリエントは最もバランスに優れるように感じられる。
パッと見の気に入り度合いからすれば最後尾ではあるが。

まあこれから長い時間を掛けて悩むことにする話です。
 

モンベルの靴

ちょっとしたハイキングならば良かった。
低山登山ならば良かった。
少なくても道があるのだから。

藪漕ぎしながら道なき道を分け入っていくとそれが低地であってもちょっと本格的な登山のような装備要件が必要になってくる。
その最たるものが靴である。
ぬかるんだ斜面、濡れた岩石、なぎ倒した草の上、靴がグリップすべき状況は目まぐるしく変わる。時には海や川に浸かっての移動もある。
幸いなことに真冬には対応しなくて良い。

こういった条件でありながら、なおかつ大げさではないというポイントを重視して購入したのがモンベルのトレールウォーカー。
この“大げさではない”という基準は普段履きしてもおかしくない、という程度である。
モンベル トレールウォーカー メンズ

こいつのハイライトはBOAシステムである。
従来の靴ひもではなくワイヤーであり、セットされた巻き上げ機でカリカリと締めたり緩めたりできる。
概ね全体が均一に締め上げられるのは非常に勝手が良い。登りと下りでは締め加減を変えたりしたい時は有用であろう。
緩める時は巻き上げ機を持ち上げるとロックが解除される。
そのまま2歩もあるけば勝手に脱げるくらいに緩む。
足の出し入れも楽。
ちょっと座って休憩の時にサッと緩めることができるのもいい。

で、もうひとつの特徴が靴底。
パターンは特殊ではないが、トレールグリッパーという滑り難い靴底なのだそうだ。
これはまだ検証できていないけど。

タイヤでも靴でも地面との境界にはコスト掛けておくべきですね。
これで今年の夏も廃墟を歩くのです。

OmniFuel

検討に検討を重ねた結果、内定していたOmniFuelの件。

父が山男なので相談。
したらば、スノーピークのギガパワーストーブを送ってくれたのだ。
これは極めてコンパクトなストーブで点火装置も具備されている。
ガス缶を装着すれば特別な儀式もなく着火する。
火力はガスらしくリニアに上昇。要するに使い易い感じ。
ぱっと使うには、これで充分である、という父の訓えなのだ。
確かに、充分だ。
自分で買うとなると、選択肢からは漏れてしまうのだけれど、
その理由もガスしか使えないから、とか厳冬期は火力が下がる等の過剰なスペック追求の裏返しでしかない。
やはり父は良く解っていた。
使用方法がシンプルで、小さく軽く、火力も必要充分。
これで良かったのだ。ばんじゃい。

と、ここで完結しないのが物欲という業の深さなのだ。

ということで到着。
燃料ボトルは別途。

手軽に、ということでギガパワーストーブのガスを装着して点火。
普通に燃焼。何も困ることはない。

次、バイクから抜き取ったガソリン。
おそらく、この使い方がメインになる(という設定を妄想をしている)
このストーブはジェット(小さな穴の開いた部品)を交換することで様々な燃料に対応しており、その嵌脱に必要な工具も同梱されている。
タンクに付けたポンプで加圧して液体のガソリンをプレヒート皿にこぼす。
で点火してプレヒート。
ぼんやり眺めておもむろにディスチャージバルブ開で燃焼開始。
普通のガソリンストーブですね。

さて、点けては消し、冷まし、また点火を二回程繰り返してみると、ジェットが詰まるようです。煤が回って入り込んだのか。そんな構造じゃないんだけれど。
ガソリンに不純物があるのか…。一応、ガソリンスタンドのガソリンだけれど。
ジェットが詰まっていることに気が付かないで加圧を続けるとポンプカップ(革製)が圧力に負けてひっくり返りますね。いきなりポンプが軽くなるので分かります。まあポンプを分解してちょいちょいと元の状態に戻してやれば良いのですが。このポンプカップがある種の安全弁になってるんですかね。
で、ジェットの詰まりを突く針もジェット交換用の工具に共装済み。
詰まりはこの針で突けば解消。

多くの先人が語るように音は大き目。
何も対策しなければ風にも弱目(当たり前)
ガソリンでプレヒートすると真っ黒になるのでアルコールでやりましょうかね。今後は。その為にはアルコール携帯容器に適したトランギアの燃料ボトルを買わねば。

Pelican1535 AirCase

1510をスーツケースとして使用してきて概ね満足している。
その基礎にはPelicanへの愛があるのは間違いない。
でなければ克服できないネガティブな要素がある。
それが重さ。

一般的なスーツケースは外皮にポリカーボネートの薄膜を採用し弾性変形をもって衝撃を緩和している。
当然、重量も軽くなり空荷であれば片手で軽々と持ち上げられる程である。

先日、RIMOWA製のスーツケースを検分する機会があり、樹脂製、布製、アルミ製と触れることができた。
それぞれによくよく考えられてデザインされ造り込まれていた。
特にアルミ製のそれは大変に高価ではあるものの生涯に亘って性能を維持しつつ擦過や打痕キズでさえ風合いとして誇れる趣があった。

さて翻ってPelicanである。
そのラインナップの中にAirCaseなるものが出現している。

Pelican1535 AirCase

愛用する1510に対応するのは1535という型式であるが僅かに大きくなる。
肝心の重量は:
1510 5.4キロ
1535 3.9キロ
約30%程軽量化されている。
あれ?1510って5キロちょいしかなかったかな。
持った感じは10キロくらいあるんだけどな…。

ともあれ、軽さを実感できる程度には軽くなっている模様。
じゃあ、これ買うよ、と簡単にはいかないのである。
まず同じサイズのスーツケースを2個も保有できない。
そしてAircaseの質感。これツルツル系ではないのかと…。
おそらく、よりコンシューマー視点からこういった軽いケースを加えたのだろう。
そういう意味では個人で運用するにはベストな選択肢に成り得る。
が、やっぱりあのザラりとした質感が好きなのだ。
しかし、軽いのはいいことだなぁ。


Mystery Ranch HOT3

Streetfighterの選定時に気になっていたHOT3へ再挑戦(再検討)

Mystery Ranch HOT3

私の使い方というのは、頻繁なカメラとペットボトルの出し入れを行いつつ、不安定な足場を歩行する、というもの。
この使い方でバックパックであることが条件なのである。つまり、しっかりと背中で安定させたい。

スリングバッグは正にこういう需要を満たすためにあるのだろうけれど、ワンショルダーは荷重が偏るので好まない。また、スリングバッグをお腹側に引き回すモーションも着衣によっては引っかかりや摩擦がありスムーズにいかない場合がある。自分のお腹も出がちなので…。

HOT3の特徴は腰あたりにバッグが位置するトップローディングに特化した配置。
これだとヒップバッグ(ウエストバッグ)と同じなんだけど、腰ベルトだけの固定ではなく背負いスタイルなのが殆ど唯一無二な存在感。
ウエストバッグだと重いものをあれこれ入れると途端に機動力が落ちる。また大きくなると着衣との兼合いも悪化しがち。
HOT3は背負ったまま腕だけ背面に回してあれこれ出し入れできるのが良い。
本来は消防士さんが使う為のデザイン

で。
HOT3の最大の難点は価格。
国内での調達を志向すると6万円超えの値付けに打ちのめされることになる。
じゃあ、本家(アメリカ)だろう。
250ドル。まあ半値以下ですな。
送料が恐らく100ドルは掛かるけど、それでも随分とお安いイメージ。
いや物欲が先にあるので相対的な見方になってるけど、フトコロ的にはそれでも高いんだけどね。
ということで、本家で買おう。
が、国選択の一覧にJAPANがない。
ここで諦めてしまいがちだが、まずはメールだ。
「御社の製品を日本に送ることはできますか」
さあ、どうしてくれるんだ、ランチさんは。
⇒「日本に代理店があるからそこで買え」
まあ、そうでしょうね。この野郎。

しかし、まだ諦めてない。
海外、特にアメリカに渡航する友人が居るのだ。
彼にお遣いを頼んででも入手するのだ。
大人しく国内で買ってもいいんですけどね。

2016年8月16日火曜日

SIGMA dp0 quattro カメラバック

その特異な形状(ビューファインダー付)から、既存のカメラバックへの収まりが極端に悪いdp0。
諸先輩方はどのように運用されているのだろうと、ネットを徘徊するもカメラバックに言及されている方が殆ど居ない。
きっと、既存のバックに収まっているのだろう。

dp0のみを気軽に持ち出して、軽快に振り回す為には、収まりの良いバックが欲しいところある。
要はdp0専用のバックとなってしまっても良い、ということだ。

ビューファインダーを付けた状態のdp0はとにかく既存のカメラとは異質なサイズになる。
ということでサイズ優先で検討した結果がVANGUARDのショルダー(BIIN 25)

これの中仕切りを全て取り払うとdp0がすっぽり入る。
他は何も入らない。予備電池とスマートフォンくらいなら入る。
取り払った中仕切りは側面や底面のクッション補強として使う。
バッグとしては特殊なところはなく、普通に良い。
サイド(片側のみ)のメッシュポケットがやや小さいので水筒やペットボトルの挿入はキツめ。

dp0を持ち出す時は“撮るぞ”モードの時であり、それが主目的のお出かけになる。
なので、これでいい。

2015年11月19日木曜日

Lumen


ライトは電力が必要で、乾電池や充電によってそれを賄っている。
その昔は電球も消耗品であったがLEDの登場で球切れを気にすることは無くなった。

ライトの運用を想定すると電池の予備は必須であるし、自宅で死蔵しているライトであっても電池が無ければ即応できない。
一方で電池自体の自己放電もあることから一度に大量購入して備蓄しても使うべき時に内容量が目減りしている可能性もある。
神経質に電池のことを考えると恐ろしくコストの掛かる話になる。

万が一の時にしか使わない防災用ライトなどは手回し式で発電したり、水などを加えて化学反応で発電する電池など、面白いものが色々とある。
が、面白いだけである。
結局、電力供給という呪縛からは逃れられない。

そこでこれ。



指の体温と金属ボディの温度差で発電して点灯するLumenというライトである。
熱電素子を使った温度差発電を電源としている。

来年の2月にデリバリーということでモノは無いのだけれど、今後、この分野が伸長すれば手元灯のような小さなライトたちは電池不要の時代が来るかも知れない。
しかし、これ真夏は有効な温度差が得られるのかな、とは思うけれども。