2022年5月21日土曜日

PELICAN WALLET G5


財布である。

ちょっと世相には疎いのだけれど、一時期は革製の長財布を尻ポケットに入れて鎖で繋いでいるスタイルをよく見た。合理的であるし、ある視点から見れば恰好も良いのだろう。

一方で、ネットで見ているとスキミング対策を特徴とした財布が多くある。
スキミングそのものについては門外漢なので省略するが、要は電波を通す素材だとカードなどの情報を獲られるよ、ということ。データのスリみたいなもの。

電子マネーがようやく本邦でも使い勝手が向上し、現金を持ち歩くという行為を抑制することができるようになった。
であるならば、財布の役割、つまりは形状に変化が起きてしかるべきなのである。
それはつまり硬貨や紙幣の収納に特化するのではなく、カード類を安全に運搬するという変化である。

ずんぐり

ミニマリストというか手持ちの品々を簡素化する、という思想があり、その線上にはマネークリップやカード類を帯バンドで括っただけ、そういう潔いスタイルは以前からある。

そこに変わらぬ製品思想をぶち込んできたのが、ハードケースの雄、ペリカンである。
ペリカンは以前から財布として使え、と小さなハードケースを製品化している。私もその派生モデルであるメモリーカードケースを使用している。
このケースの問題点は財布としては大きいこと。
ミニマムな存在感というよりは主張は激しく容積は大きいのである。

内部があらかじめ傷だらけなアメリカンスタイル

今回、改めてペリカンがぶち込んできたのは、G5。
縦に開閉する、昔の携帯電話のようなパカッとした動き。
閉じた状態で閉止するラッチは樹脂製だが、本体はアルミ製。
重量感はあまり過度ではないが、重いのは間違いない。
内部はカード数枚と紙幣を何枚か。
加えてちょっとした薄い小物なら入るかもしれない。
本体のゴロンとした体躯からすれば全然入らない。
入らないついでに水も入らないし(防水)、電波も入らない(スキミング対策)
とはいえ、実用性には疑問符が付くのである。
なのだけれど、これで良い。これが良い。その存在感が、重量感が、アルミの質感が。
なにより、この文字が付いていれば、それが全てなのである。

これが全て

2022年4月29日金曜日

Olight i3T Plus EDC

竹っぽいライトである。

竹の枝のような、そんなイメージ。

OLIGHT(オーライト)社は頻繁にセールやイベントが行われており、活発な印象がある。
新商品がドンドンと出るわけではないのでメールを読む度に焦る必要もないのだけれど。

ライトを実用品として見ると常に携帯しておきたいライトへの要求事項は割合シンプルなものになる。
今風に言えばEDCライトというカテゴリーである。
小さく、明るく、電池が持つ(自己放電が少ない)
照射パターンは極端なものでなく、やや拡散気味の方が便利であると思う。
結局、SUREFIRE社のSIDEKICKを持ち歩いているわけだが、これは大変気に入っているのである。


一方で趣味的な、ネタ的な視点からライトを見ると、一挙に選択難度は上がる。
しかもEDCライトとして。
猛烈に明るいのも面白い。しかし重ければ持ち歩くのに不適。
磁石が付いていたり、凝ったクリップが付いていたり、そういったギミックも面白い。しかし不格好なものは好きじゃない。古い型の人間なので磁石は携帯や時計に悪影響を及ぼすと思っているけれど。


で。
いつものOLIGHTからのメールを眺めていて目についたのがこれ。


なんだか面白く感じて素早く購入。
中国は今(2022)は例の流行病で大変と聞くから届くのは3週間後くらいでしょ、と一旦忘れていたら速攻で到着。どうやら国内に在庫を持つ拠点があるようですね。


開封してみて、まずは”重い”
見た目が竹というか枝というか木質な感じなのでギャップもあって重い。
素材が銅系であることも関係しているのだろう。

銅剥き出しのしつこく触ると黒ずんでくるような印象はなく、なんらかの表面処理が施してありクリアな層を感じる。かといって枯れ竹風の縦割れ亀裂はしっかりと彫ってある。
ライトしての能力は過不足なし。
単4×2本のライトであって光量の切替にややクセがあるものの、特に気にならず。というか気にするライトじゃない。
暗い方は常用するにはいいでしょう。歩行用にはやや暗いかな。
明るい方は充分に明るく実用性充分。
ただ、見た目が竹枝なのでアウトドアな環境で落っことすと見つけにくいライトだろうなー。
なんにしても実用性をあれこれ言うライトではなくて、面白い見た目のラ
イトであって所有欲を満たしてくれる。そういうことなのです。

2022年3月7日月曜日

ソフト 外骨格 ”E-Knee” C-EXO Skeleton Technology Company

ある日、膝が痛み出し、それはあっという間に激痛となり、歩くのもやっとという状態になった。

いわゆる水が溜まる、という状態でもあり数度の”水抜き”を実施してなお痛みは続き、専門医に診てもらい、状態は把握できたものの原因は不明。対処療法を厚めに実施することで、徐々に改善し数ヵ月で歩行することができるようになった。
しかし、膝への不安は残っていた。屈曲させるときに妙な音もする。明らかに部品としての膝関節は不可逆な損傷を受けたものと考えられる。
衰えた筋力を取り戻し、膝の健全性を改めて担保しなければならない。そのためには過負荷を抑えつつも”歩く”ことが重要と考えた。

であるならば、サポーターである。
この分野に悩む人々というのは多く居るのだと知った。
加齢によって膝が衰えた先人から、スポーツのために膝の予防保全を志向する人。
サポーターも用途に合わせ多すぎるくらいの製品が存在する。
湿布を抑えつけるだけのもの。
保温を主目的としたもの。
ガイドフレームが屈曲を制限するもの。
バネの反力で負荷を緩和しようとするものもある。
あれこれ(といっても片手で足りるもの)試してみた。
最終的にはバンテリンのサポーターに落ち着いたのだが、主に装着感を重視しての落着点だった。
サポート(保持)する、という意味に於いては随分と頼りないのである。


そんな時に出会ったのがC-EXO Skeleton Technology Companyの”E-Knee”である。


センサーとマイクロコンプレッサーとエアバッグの組み合わせによって、膝の状態に合わせて保持力をダイナミックに調節してくれる。

見た目はオレンジ色のエアパイプが目立ち、裏方に徹するつもりは一切ないデザイン。カッコイイとも言えるけれど。
本件もKickStarterでのクラウドファウンディングであり、出会ったのはそれが始まる前であった。

当然、開始直後に投資完了した。
しかし、クラウドファウンディングの常として納期は大幅に遅れ、当該サイトのコメント欄には「詐欺だ」、「返金せと」という文言が目立ち始める。

この手のことはよくあることなので「まあ勉強代でした」と済ますしかないと思っているのだが、2022年の年明け早々に「送るぜ」と不意の連絡。そこからも長かったが、ようやく受け取ることができた。


まず。
このE-Kneeは大変、かさ張るのである。かさ張っているのである。
従って、標準的なズボンの中に隠蔽することはできない。かなり緩め(太目)のズボンでなければ共存できない。
共存したとしても、左膝の出っ張りは隠しようもない。

海外では「動作音が気になる」という声を見つけたが、音としては電動の血圧計の音。やってることは同じなので当たり前。腕を締め付けるか膝を締め付けるかの違い。

で、これが気になるかといえば、それは状況による。

例えば装着した状態で室内の椅子に座るとエアは抜ける。保持力は弱まり圧迫感は感じない。抜ける時は音はほとんどしない。

ここから立ち上がると10秒程度ヴ―ッとコンプレッサーが作動する。これが会議室であれば目立つだろう。誰かのスマートフォンのバイブ音とは音色も大きさも違うので「何だ?」となる。

屋外であればほぼ気にならない。

エアバッグが膨らむことで保持力を発揮

目立つ、という部分でセンサー(兼バッテリー兼コンプレッサー)部分で赤い光が周回するように常時光っている。履くズボンにもよるが、私の場合は比較的薄い制服であるため、暗いところだとこの光は布地を透過する。

朝夕の暗めの喫煙所で、倉庫に至る通路で、膝がピカピカとしているのは目立つ。

なにがなんでも秘密にしたい、という恥ずかしいモノではないので適当にいなせばいいのだが。

むしろ積極的に自慢する方向に行っているが、実は機械のカラダが欲しいんだよね、という行き過ぎた思想への共感者は多くはない。


なんだかマッスルイメージだけれど筋力は増強しない

で。

肝心の保持力。

1週間程度、日中は装着していた感想としては”効果はある”

電気仕掛けのガジェットを膝に装着しているのだ、という高揚感も当初は当然ある。その意味で気分的に”強く”なっていた面もある。

だがしかし、座った時にスーッと抜けるエアで保持力が弱まるのは感じ、再び立ち上がったときに鈍い音と共に締め付けられていく感覚はONとOFFが明確であり、謳い文句通り”外骨格”として機能していると感じられる。

とはいえ、剛体を持たないので現状の膝を増強するものではない。

保持力を求めてキツいサポーターを巻いて窮屈な思いをするのではなく、適宜自動調整してくれるという点で”便利”であり”快適”なサポーターであると思う。


バッテリーの持ちについては稼働状態にもよるだろうが、カタログスペックよりは短く、16時間程度。

立ったり座ったりが多い環境だと都度、コンプレッサーが作動するので消費が激しいのだろう。


小型(薄手)のサポーターは歩いている間にズレ下がり、意味をなさなくなることがあるが、E-Kneeは全くズレない。

サイズはセミオーダーメイド的なシステムであって、事前にC-EXO Skeleton Technology社に太腿とふくらはぎのサイズを測定して連絡する方法。

Kickstarterの掲示板では指定したサイズとは異なるものが届き怒りの書き込みも見られるが、私は連絡した通りのサイズが届いた。


既に国内でも代理店が立っているようで、国内クラウドファウンディングでの募集も始まっているようだが、原始となったKickstarterの出資者にも行き渡っているように見受けられないので(2022/3時点)、納期はゆっくりとしたものになると推測される。

C-EXO Skeleton Technology社の公式WEBサイトも消滅したのか、移転したのか、不安定さが見られる。

予備のユニットを購入しよう、という動きに対応できる現状にないことも残念であり、今後に期待するしかない。










2021年12月30日木曜日

Light of the Year 2021

Light of the Year 2021
という名目で毎年、12月はライトをしっかりと選ぶ、というのを恒例にしている。
今年も各メーカーから素晴らしいライトが大量に発売された。

あれもこれも全て欲しい、というのが正直なところだが、限られた予算の中で四苦八苦するのが現状である。

今年の一本(厳密には納品は来年だけど)
キックスターター案件である、DART Mini Pocket Thrower Flashlightである。

DART Mini Pocket Thrower Flashlight

例えばこういった妄想をする。
暗い夜道を歩いている。その距離は大したことはないけれど、起伏あり、小石が落ちているかも知れず、時に寒く、時に暑い。雨かもしれず、雪かもしれず。
そういった時に安心感を得るには、まずは足元を照らせば良い。そしてライトは小さく、軽く。
しかし、脇道から悪漢が飛び出してきたら?
ストライクベゼルの付いたライトで打突、これも正解だろう。
強力な光線で眩惑させて、素早く退避、これも正解だろう。
ストライクベゼルは本来的には車両の窓ガラスなどを破砕するのが目的だが、まあアレですよ。痛いよね、こういうので突かれたら、という表現に留めておきます(最近、Googleさんが厳しいので)
200ルーメン以上の光源であれば、直視させられれば眩惑できるとされる。現実的にはこちらであろう。
ストライクベゼルを採用するDEFENDER
これで打突されると痛い。


で。
こういうシチュエーションというのはつまり通勤なのである。
つまり毎日使う。毎日持ち歩く。
であるからこそ、小さく軽くなければならない。
一方で電池の持ちもある程度は良くなければならない。
貴様は既にそういうライトは持っているだろう。という指摘がある。脳内で。
確かに持っている。
いくらでもある。
なんなら、これまで書いてきた要件を全て満たすものもある。
しかし、”飛距離”というものが欲しくなったのだ。
いつも道、いつも景色なのだけれど、ちょっと遠くを照らせば、少し世界が広くなる、そんなロマンを感じたくなったのだ。

昨年、ACEBEAM E10 Green LED Hunting Flashlightというライトを買ったのだが、これが理想形に近い(ブログにしてないがこれがLOTY2020)
が、これはハンティング用のライトであって光源が緑色なのである。これは街では異様である(緑色の光は動物への刺激が非常に少ない)
私はこれを信号用として使いたい、という衝動に駆られて買い、満足しているからいいのだけれど。
ともあれ、グリーン光源では日々の使用には向かない。またやや太く、重い。
但し、飛距離は充分。まるでレーザーのように照射される。

ACEBEAM E10 Green LED Hunting Flashlight
合図は緑。1000m到達。

コリメートレンズの一種であるTIRレンズというものがあり、これがLED光源を直線性の高い平行的な光に変換してくれる。
ACEBEAM E10もこのレンズを採用しているが、それ以前だとStreamLightのSURVIVORという消防士用のライトがあった。
比較的小口径のライトには随分と前から採用されているが、大口径ライトではちょっと珍しい存在だったと印象している。
SURVIVORも貫き系の照射であり外で使うと楽しいライトである。

SURVIVOR
これを胸に付けて煙の中に突撃するといい。

で。
DART Mini Pocket Thrower Flashlightである。
この貫き系照射パターンであって、手に収まるコロンとしたサイズ感であり、軽い。
気に入らないのは金属ボディあること。これは冬場に冷たいのである。あと、丸いので転がること。日常的に持ち歩くものが転がりやすい形状であることはデメリットと考えているので。
とはいえ、世界を少し広げる、というロマンを加味した小型、軽量なライトとしてよろしいのではないでしょうか。

DART Mini Pocket Thrower Flashlight


2021年12月29日水曜日

Hybrid H3 Pro Urban EDC Tactical Flashlight

ハイブリッドなライトである。
何がハイブリッドかといえば電源なのである。
内蔵の充電池(Li-Po)と乾電池(単三)あるいは14500電池を使える、ということ。



充電式ライト、というのは昔からある。
私はこれがあまり好きではなかった。
なぜなら、充電設備が必要だから。それはアダプター経由の100Vコンセントだったりした。
現代ではUSB経由のものが大勢を占めている。
もし、電池が切れたならば。
充電しなければならない、というのがマイナス要素だったのだ。
そして、その時の環境下に充電設備があるとは限らない。むしろないことの方が多いだろう、と想定していたのだ。

一方で乾電池であれば消耗した電池を捨てて、新しいのを入れれば済む。
弾丸のように次々と入れ替えていけばいいのだ。
ライトを使い続けるというハードな環境の場合は、実際にそうしていた。この場合に充電式というのは話にならない。
最近では充電池そのものも安くはなってきており、乾電池と同等の使い勝手とも言えなくはないが、それは別の話。

で、なんでこのハイブリッドライトに意味があるか。
このライトは内蔵充電池と外部(から入れる)乾電池を切り替えることができる。
どちらかが切れれば自動的にスイッチングされる。

こういう妄想をしてみる。
毎日持ち歩くライトであって小型、軽量が望ましい(またかよ)
要するに通勤ライトですね。
充電し忘れた!乾電池がなくなった!このいずれもが発生する可能性がある。忘れっぽい場合に。
充電は設備のあるところに。乾電池は最悪コンビニでも買えるけれど。いずれにしても目の前の闇に対して何の役にも立たない状態のライトというのは持っている意味すらない。ただのアルミ製の棒きれなのである。

そういう時にこのハイブリッドライトであれば”ひとまず点く”のである。
ライトとしてはペンライトであり、小型軽量である。
配光は普通であり、十二分に明るい。同サイズのライト並といっていいだろう。
つまり、サイズ感や明るさには特徴はない。
電源(電池)がハイブリッドあるというのが最大の特徴である。


ちなみに、細身にも関わらずストライクベゼル(状)の突起を装備している(PROだけ)
これが実に攻撃的というか、この細さでこの突起であれば打突された場合に大変痛ましいことになるのではないかと思われる。とはいえ相手は危害を加えようとする暴漢であるからして、気にせず打突すればいいと思います。

2021年12月20日月曜日

アライ ASTRO GX

ヘルメットを買い替えた。アライ謹製のASTRO GX。

アライヘルメット謹製 ASTRO GX

このヘルメット。発売を待ち望んでいたが中々発売されない、という不可解な状況が続いていた。
ようやく発売されても世界は例の伝染病が大流行。
試着すら許されない、という店舗対応を受け、購入意欲は減退。
「買い替えなければならない」と決断してから実に一年以上を経て、ようやく試着。
試着してみれば、やはりアライ。このキツめのフィット感が”らしい”のであった。
ということで、AGVなどの対抗馬の検討も進めていたが、被ってみればアッサリと決断してしまった。

これまで使用してきたSHOEIのGT AIR。
これも機能性という面では素晴らしかった。
特に防眩シールドを内蔵している点については大変便利であり、助けられた場面は数知れず。
一方でやや重量があり、丸一日被っていると疲労が蓄積するのを感じると共にハイスピード域での安定性にも難を感じていた。
但し、安定性は車両の乗車姿勢との兼ね合いもあり、一概には言えない。

今回の大きな変革は色である。
通常、性能を第一義として色は地味なソリッドカラーを選択するのが常であったが、今回は朝晩の通勤時間帯が暗いことを一考しつつ他者の意見も取り入れて白ベースの赤模様とした(FACEの赤)

実走に使用してみれば、ヘルメットの進化を実感するに足る性能であった。
GT AIRと比較すれば被った瞬間から分かる軽さがあり、風切り音の低さは明らかな差として感じられる。
100km/H前後の安定性も高く、風の抵抗すら軽く感じる。
結果として、首上の負荷が著しく下がったという印象を得た。
GT AIRもMサイズ、その前のSZ-RAMもMサイズ、であったため、まずはMサイズを試着したのが、耳に圧迫を感じLサイズを試着して程よさがあったのでLサイズを購入している。
但し、当人がやや太ったという点は留意事項。

防眩シールドはアライの場合は外付けになるのだが、これも装備していかなくてはならない。
もはや、これなくしてはヘルメットにあらず、という意識。
若い頃よりも明暗差に弱くなったのがその一因。
トンネルから出た直度の西日などには顔をそむけたくなるくらいのダメージを被る。かといって本当に顔をそむけていたら、ダメージどころか命がなくなる。

ヘルメットに於ける進化は材料や形状に生起していくのだろうけれど、それを大いに実感できるヘルメットであった。

2021年12月17日金曜日

落武者を狩る者

夏の終わり、冬の始まり、その間を秋というのだが非常に短い期間でしかない。
これをナメクジ野郎の話に言い換えれば、活動期と休眠期の間が非常に短いということになる。

例年、”かなり寒い”という気温になってから一匹、二匹、まるで落武者のように冷たい土の上でロクに動きもせずにのたくっているナメクジを目撃する。
今年はマイキラーLによる殲滅作戦が大いに効き、在庫処分を兼ねたダメ押しの追加散布も行い、休戦状態となった。

そんなある夜。
巧妙に隠れていたナメクジが冬眠のために決死に移動する姿を見た。
見てしまった以上、殺らねばならない。これは絶対の掟。
ここで見逃せば、このナメクジが子を産み、倍々で増えていくのだから。昨日の敵を秋の夜更けに感傷的に見逃がすなどあり得ないのである。
ジェノサイドを行う独裁者の心境なぞ知るべくもないが、やると決めたら貫徹しなければならないのは分かる。

しかし、この夜。
哀れなナメクジの後を追う者が居た。
言わずとしれた、ナメクジ野郎共の天敵、コウガイビルだ!
この方(コウガイビル)は生態に謎な点が多い。実はヒルですらないようで”陸生の肉食動物”などと表現されている。

コウガイビル先生

いずれにしても、ナメクジどもの残党掃討には頼もしい味方なのである。


しかし、この方。

自切でも増える(刻んでもそれぞれが個体として甦る)というほぼ不死身な肉体を持っており、フレンドリーとは言い難い容姿も相まって、ちょっと共生していくには抵抗があるというか…。

下手をすれば将来的には戦うことになるのでは…。


肌寒い小庭でドロついた政治的策謀めいた思考に支配されていたのだった。とりあえず、頑張れ!コウガイビル!